ダカールラリー：人生を賭けたレース

極めて過酷なダカールラリー 2022で、ボッシュの工具はファンティック・レーシングチームと共に暑さに耐えます。

ダカールラリー 2022

界で最もハードで壮大なラリーの1つであるダカールラリーは、過酷な状況に耐えらえるタフな人向けです。毎年、15日間で8,000キロ以上を走破する過酷なオフロード耐久レースにライダーたちが挑みます。砂丘や泥地、岩場、ラクダ草を駆け抜けるライダーたちは、状況に応じて瞬時の判断を迫られます。ライダーとマシンの間の調整が1つでもうまくいかなければ、数秒で終わりを迎えてしまうかもしれません。ゴールまでたどり着けないライダーもいます。このようにリスクが多いレースのため、チームにとっては優秀なエンジニアと極めて丈夫でパワフルな工具が重要になります。

注）本文で使用されている製品は、日本国内では未発売の製品が含まれる場合があります。製品の性能は搭載するバッテリーの種類、機種によって最大出力が異なります。

Fantic XEF 450 Rallyに跨って過酷なサウジアラビアの砂漠を駆け抜けるフランコ・ピッコ。

道を切り拓く

ジュエッダ、2022年 – バイクに跨ったフランコ・ピッコは、暑さの中でヘルメット越しに遥か遠くへ目を凝らします。背後では、彼が道を切り拓いてきたばかりの熱気の中を砂埃が舞っています。サウジアラビアの砂漠を8時間近くかけて数百キロ走った後、彼はついにレースのこのステージの終点に近づいているのです。遠くに、テントの外で彼の到着を待ち構えるファンティック・レーシングのクルーの姿が見えます。「よし」とピッコは思います。早くも彼の頭には、バイクに対して技術的に調整の必要な項目が浮かんでいます。フランコ・ピッコは過去40年間にダカールラリーに28回参戦していますが、今回は特別です。ピッコは自らが汗を流し、ボッシュプロ用電動工具を使って、エンジニアチームと一緒に自分が乗るFantic XEF 450 Rallyを整備することが許されているのです。

ダカールラリー 2022の期間中、ファンティックのオフィシャルチームのピットに用意されたボッシュプロ用電動工具（PROストーリー）。

大きく前進

ピッコのように経験豊富なラリー界のレジェンドは、最高のエンジニアすら知らないような厳しい地形やバイクの耐久性に精通しています。自らの経験を新型モーターサイクルFantic XEF 450 Rallyの技術的改良に生かすことができる契約をファンティック・レーシングと結ぶことに、ピッコは興奮しました。「バイクを開発する一流のチームの欠かせない一員になれることを嬉しく思います。これで、バイク整備の品質が大きく向上します。ファンティック・レーシングがボッシュプロ用電動工具をオフィシャルテクニカルサプライヤーに選んだ理由の1つは、18Vバッテリー1個でコード式に匹敵する性能を発揮する高性能なBITURBOシリーズことです。「ボッシュの工具を自分で試すチャンスを逃したくありませんでした」とピッコは言います。「ボッシュの工具は本当にパワフルかつ効率的で、どんな過酷な条件にも耐えられます」

メカニックのフェルナンド・プラデスは、GWS 18V-15 SC コードレスディスクグラインダーを使ってファンティックバイクのチェーンを素早くきれいに切断します。（PROストーリー）

より素早く、よりきれいに切断

ダカールラリーのコースの過酷さは、バイクの状態を見れば分かります。チェーンは緩み、部品は高温になり、湿った砂や泥が至るところに飛び散っています。各ステージは400〜800kmに及ぶため、バイクは8時間以上走り続けることになります。熱とスピードでチェーンが伸びてしまい、その都度交換しなければなりません。メカニックのフェルナンド・プラデスは、 GWS 18V-15 SCコードレスディスクグラインダー高性能な BITURBO モーターのおかげで、このグラインダーは従来モデルに比べて切断速度が50％アップし、研磨性能も向上しました。ProCORE18V 5.5Ahバッテリー（日本未発売）と組み合わせることで、1,500Wのコード式グラインダーに匹敵するパワーを実現しています。「BITURBO（倍ターボ）と呼ばれるのも納得です」と語るプラデスは、グラインダーに搭載されている多くの安全機能にも満足しているようです。

パワフルなGDS 18V-1000インパクトレンチは、ファンティックのラリーバイクのボルトを緩めたり締めたりするのに使用します。（PROストーリー）

締め過ぎの心配なし

走行ルートには柔らかい砂や岩が多いため、タイヤは大きな摩耗に耐え、困難な地形で走行を続けられるよう交換する必要があります。メカニックのファビオ・マウリは、GDS 18V-1000（日本未発売）インパクトレンチを使ってXEF 450 Rallyのボルトを素早く正確に緩めます。このインパクトレンチも高性能な高性能なBITURBOシリーズシリーズの1つで、ProCORE18V 5.5Ahバッテリーと組み合わせることで、最大1,000Nmの締付けトルクと1,600Nmの緩めトルクを実現できます。高トルクには締め過ぎのリスクがつきものですが、このインパクトレンチは作業モードをカスタマイズすることができます。ネジや表面を傷つけることなく、ボルトの締付けやネジ締めを面一にインテリジェントにコントロールできるため、マウリは安心して効率よく完璧に作業することができます。

ボッシュプロ用電動工具のバッテリーは18Vシリーズの全機種に対応しているため、タフな作業もよりスピーディーかつスムーズにこなせます。（PROストーリー）

1つのバッテリーですべてに対応

ファンティック・レーシングのビバークシェルター(野営用テント)にボッシュプロ用電動工具シリーズを揃え、チームは1つのバッテリープラットフォームだけでセッティングを簡素化することができました。18Vバッテリーや充電器は、電動工具だけでなく、 GLI 18V-1200 C Professional ライトやボッシュのコードレスウェアにも完全対応しています。砂漠は気温差が激しいため、ファンティック・レーシングのチームは日が沈むとGHJ 12V+18V ヒートウェアを着用しました。非常に長い駆動時間と優れた温度管理機能により、 ProCORE18Vバッテリーはダカールラリーの期間中、チームに電源を安定供給しました。ボッシュプロ用のコードレスシステムは、その頑丈さとどんな状況にも対応できる柔軟性が本当に有り難いです」と、ファンティック・レーシングのエンジニアであるファビオ・マウリは語ります。「バッテリーの駆動時間が長いので、バッテリーを頻繁に交換することなく、多くの作業をこなすことができました」

伝説のライダー、フランコ・ピッコが28回目のラリーで無事完走を果たしました。（PROストーリー）

人生を賭けたレース

「私にとってダカールはどのレースよりも重要で、かつ厳しいレースです。それは人生を賭けたレースなのです」と、過去に何度も3位以内に入賞しているピッコは語ります。「テクニックと体力の面で入念な準備が必要なのはもちろんですが、何よりも大切なのはメンタルが良好であることです」。ライダーは砂漠の朝の凍える寒さの中でスタートし、1日最大8時間走り続けます。脱水症状や事故が多発し、ゴールまでたどり着けないライダーもいます。砂漠ではライダーは自分で問題を解決する術を知っていなければなりません。そうでなければレースを去ることになります。ライダーたちが携行できるものは多くはありませんが、ブレーキパッド、レバー、クラッチ、燃料インジェクターなどのスペアパーツと、それらを交換するためのは持参します。ダカールラリー 2022で8,375kmを走破する間、ピッコは新しい ボッシュプロ用ハンドツール を携行しました。これらの工具は、この壮大な冒険を無事に最後までやり遂げるために役立ちました。